12月14日 家族っぽい時間 最終日
2008年12月14日 YP(役者ポイント)
晴れ。
家族っぽい時間、最終日。観にきてくれた皆さんどうもありがとうございます!!!
11時半に小屋入り。はやみさんがいる。今日もよろしく。
フラパン男優陣の友人であるイグチくんから差し入れが届いていました。大量のおにぎり。「観にこれないから差し入れだけでも」と朝から小屋まで届けてくれたらしい。ありがとう!!
そうこうしているうちに黒木さんがやってくる。コーヒーを入れたいのにお湯をどこでゲットしたらいいのか途方にくれていた僕とはやみさんを助けてくれる。
加藤さんと吉田君も到着。黒木さんも交えて4人でピラテスをする。身体もしっかり目覚める。吉田君は「くぇ~」とか言っていました。
ピラテスをしてると濱さんが到着。いつものように小道具のセットをのそのそと着実に始める。いつもありがとう。
三田村さん到着。昨日足を怪我していたので心配だったのですが、少しはましになったようでよかった。
松田さん到着。劇場の向かいでたこ焼きを買ってきて、みんなに勧めてくれる。ありがとうございますってか、昨日もたこ焼き買ってませんでしたか。
マキちゃん到着。風邪気味だったマキちゃんも、少し元気に見える。
不在の演出からメールがくる。みんなへ伝言。
で、本番。
************************
いつものように静かに始まる。
いっちゃん(兄貴)、おとん、おかん、ボクの順に食卓へ。砂浜を歩く時の歩に注意する。
食卓に尽き、食事が始まる。納豆をずるずる。
ボクはもくもくと食べる。居心地の悪い食卓でも食欲は旺盛な高校生の身体。身体という絶対的なもの、ココロというあいまいなもの。
*
家庭教師(宇宙人)が登場、お芝居が転がり始める。
僕の心に土足で入ってくる宇宙人にイライラし、そういうココロのリアルな痛みが思いっきりしばかれるほっぺたの痛みとシンクロする。でもそれがたまらなく嬉しかったりもする。「ボク」はきっとこの段階ではそれに気付いていないんだろうな。
ボクが勉強を始め、宇宙人といっちゃんの不思議な会話が始まる。ボクはそれを直接的には聞いていないんでしょうが、やはり聞いている。三田村さん、加藤さんともに落差がすごく出ていて、シーンがばっちり切り替わる。
*
続いて濱さんと吉田君のシーン。
濱さんは巧い。「役割」としての「家族」という言葉に振り回され、ぼろぼろな家庭がある一方で、濱さんがのほほんとあほそうにただの石のことを「子供みたいなもんだよ~」と言い切ってしまうのがすごく効いたと思う。「80万円」は単純に面白い。
*
介護士のシーン。
勉強を続けるボク、その傍らで進行する日常。勉強ってのは理論とも言い換えられると思いますが、理論は決して実際に起こっている事に勝つことはできない。
マキちゃんがいつもよりセクシャルなニュアンスを強調してやっていました。僕は耳から聞いていただけですが、これが大正解だと思いました。
おかんが帰宅。実はおかんは別に何も悪くないんだよな、と思えるシーンです。もしかしたら家庭教師のおかげでそう思えたのかもしれない。
マキちゃんとの会話。宇宙人はボクのココロに土足で入ってきましたが、介護士は上履きで入ってくる感じ。その中途半端な感じにボクは怒り、哀しくなり、吐き気を覚える。
*
ボクが去って、宇宙人が再び現れる。
三田村さんおもしろい。そして可愛く見えてくるのが素晴らしい。以前演出の指示でわざと「可愛く」作ろうとしたことがあったけど、結果として今の方がずっと可愛い。形容詞を演じる事はできないという素晴らしい例だと思います。
*
暗転を挟んでがらっとトーンの違うフラダンスのシーン。
上記の濱さんが打ったくさびのような物をここでははやみさんが打ち込む。
そう、実は「嬉しいこと」と「嫌なこと」は基本的には同価値なのだと思う。パッパラパーみたいな格好をしたはやみさんが言う事で説得力が増す。
*
このシーンに続く形で両親のキャラクターの種明かしが行われる。
おとんとおかんで、自分の人生への対処法というか、向き合い方が全然違うのが面白い。
おとん役の松田さんが、今日は独白をじっくりやっていて、すごく良かった。面白みが増すというだけでなく、その10倍ドラマティックになっていたと思う。言いたい事があるのにその放出を制限されると、一つ一つの言葉、目線が濃いエキスのようになる。
まあ演劇っていうのはもともとそういうものだと思いますが。一番最初に「これ以外は言うな」と台本を渡されるわけですからね。
*
再び納豆を食すシーン。
いっちゃんが行ってしまう。いっちゃんが行ってしまう。でも動かないボク。
家族が一度完全に崩壊する。
ばらばらに壊れてしまった家族の大笑い。ボクの涙。そこに与えられるいっちゃんからの愛。
いっちゃんとボクは、台本上ではほとんど会話を交わしませんが、僕は今回いっちゃんが一番心が通い合ったキャラクターだと思います。
*
最終シーン。
おとんとの会話。一度壊れてすっきりした関係。無理矢理な「家族」関係ではなく自然体の「家族っぽい」関係。
おかんが帰宅。いっちゃんの誕生日ケーキにろうそくをつけ、おかんのフラダンスを観る。
ゆらめく4本のろうそく。他の三本と少し離れたところにある一本はボクかな、いっちゃんかな。誰でもないか。
*
終了。
みんな丁寧で、いい出来でした。ボク個人としては昨日の方がより素直に出来た気はしますが。
*
いい公演になったと思う。自分的にも。
「1945」で素晴らしい俳優さんたち、プロの俳優さんたちの素晴らしい演技、プロの演技や生き方に刺激を受けて、もっとやりたい!とうずうずしてたのも良かったんだと思う。
演技の精度とリアリティは共存できる、と確信したのも大きな収穫。
************************
終わったー!!
とほっとする間もなく怒涛のバラシ。砂を片付けるのがいかつい。
ちなみに、今回は仕込みもそうでしたが、それなりに機能できたような気がします。そしてそれは絶対、最近タオル屋で働いているのが良かったんだと思います。うーん人生全てはつながっている。
無事バラシ終わり、打ち上げへ。
大入袋の代わりに今回、プレゼント交換を行いました。伊藤さんの発案。
僕には松田さんのプレゼントが回ってきました。海外旅行好きの松田さんの世界各国のお土産シリーズ&職場である大阪経済大学のグッズ、図書カードなど盛りだくさん。
僕のプレゼントを引いたのは伊藤さん。「いつもいっしょに」という絵本(作:こんのひとみ/絵:いもとようこ)。すごいシンプルに大事な事を教えてくれる絵本。まあ読んでくださいよ。
吉田君のプレゼント「エリンギ栽培セット」は面白かった。
その後、終電を逃した組でカラオケへ。でもみんなへろへろであまり歌わず。
始発で帰宅。ようよう白くなりゆく山ぎはを見ながら自転車をこいで帰りました。
帰るとおかんがいました(黒木さんではないですよ)。昨日忙しい中、万難を排して観にきてくれたおかんの感想など聞きながら風呂を沸かして入る。ぷはあ。ええ気持ちじゃ。
ミルクだけ飲んで就寝。
家族っぽい時間、最終日。観にきてくれた皆さんどうもありがとうございます!!!
11時半に小屋入り。はやみさんがいる。今日もよろしく。
フラパン男優陣の友人であるイグチくんから差し入れが届いていました。大量のおにぎり。「観にこれないから差し入れだけでも」と朝から小屋まで届けてくれたらしい。ありがとう!!
そうこうしているうちに黒木さんがやってくる。コーヒーを入れたいのにお湯をどこでゲットしたらいいのか途方にくれていた僕とはやみさんを助けてくれる。
加藤さんと吉田君も到着。黒木さんも交えて4人でピラテスをする。身体もしっかり目覚める。吉田君は「くぇ~」とか言っていました。
ピラテスをしてると濱さんが到着。いつものように小道具のセットをのそのそと着実に始める。いつもありがとう。
三田村さん到着。昨日足を怪我していたので心配だったのですが、少しはましになったようでよかった。
松田さん到着。劇場の向かいでたこ焼きを買ってきて、みんなに勧めてくれる。ありがとうございますってか、昨日もたこ焼き買ってませんでしたか。
マキちゃん到着。風邪気味だったマキちゃんも、少し元気に見える。
不在の演出からメールがくる。みんなへ伝言。
で、本番。
************************
いつものように静かに始まる。
いっちゃん(兄貴)、おとん、おかん、ボクの順に食卓へ。砂浜を歩く時の歩に注意する。
食卓に尽き、食事が始まる。納豆をずるずる。
ボクはもくもくと食べる。居心地の悪い食卓でも食欲は旺盛な高校生の身体。身体という絶対的なもの、ココロというあいまいなもの。
*
家庭教師(宇宙人)が登場、お芝居が転がり始める。
僕の心に土足で入ってくる宇宙人にイライラし、そういうココロのリアルな痛みが思いっきりしばかれるほっぺたの痛みとシンクロする。でもそれがたまらなく嬉しかったりもする。「ボク」はきっとこの段階ではそれに気付いていないんだろうな。
ボクが勉強を始め、宇宙人といっちゃんの不思議な会話が始まる。ボクはそれを直接的には聞いていないんでしょうが、やはり聞いている。三田村さん、加藤さんともに落差がすごく出ていて、シーンがばっちり切り替わる。
*
続いて濱さんと吉田君のシーン。
濱さんは巧い。「役割」としての「家族」という言葉に振り回され、ぼろぼろな家庭がある一方で、濱さんがのほほんとあほそうにただの石のことを「子供みたいなもんだよ~」と言い切ってしまうのがすごく効いたと思う。「80万円」は単純に面白い。
*
介護士のシーン。
勉強を続けるボク、その傍らで進行する日常。勉強ってのは理論とも言い換えられると思いますが、理論は決して実際に起こっている事に勝つことはできない。
マキちゃんがいつもよりセクシャルなニュアンスを強調してやっていました。僕は耳から聞いていただけですが、これが大正解だと思いました。
おかんが帰宅。実はおかんは別に何も悪くないんだよな、と思えるシーンです。もしかしたら家庭教師のおかげでそう思えたのかもしれない。
マキちゃんとの会話。宇宙人はボクのココロに土足で入ってきましたが、介護士は上履きで入ってくる感じ。その中途半端な感じにボクは怒り、哀しくなり、吐き気を覚える。
*
ボクが去って、宇宙人が再び現れる。
三田村さんおもしろい。そして可愛く見えてくるのが素晴らしい。以前演出の指示でわざと「可愛く」作ろうとしたことがあったけど、結果として今の方がずっと可愛い。形容詞を演じる事はできないという素晴らしい例だと思います。
*
暗転を挟んでがらっとトーンの違うフラダンスのシーン。
上記の濱さんが打ったくさびのような物をここでははやみさんが打ち込む。
そう、実は「嬉しいこと」と「嫌なこと」は基本的には同価値なのだと思う。パッパラパーみたいな格好をしたはやみさんが言う事で説得力が増す。
*
このシーンに続く形で両親のキャラクターの種明かしが行われる。
おとんとおかんで、自分の人生への対処法というか、向き合い方が全然違うのが面白い。
おとん役の松田さんが、今日は独白をじっくりやっていて、すごく良かった。面白みが増すというだけでなく、その10倍ドラマティックになっていたと思う。言いたい事があるのにその放出を制限されると、一つ一つの言葉、目線が濃いエキスのようになる。
まあ演劇っていうのはもともとそういうものだと思いますが。一番最初に「これ以外は言うな」と台本を渡されるわけですからね。
*
再び納豆を食すシーン。
いっちゃんが行ってしまう。いっちゃんが行ってしまう。でも動かないボク。
家族が一度完全に崩壊する。
ばらばらに壊れてしまった家族の大笑い。ボクの涙。そこに与えられるいっちゃんからの愛。
いっちゃんとボクは、台本上ではほとんど会話を交わしませんが、僕は今回いっちゃんが一番心が通い合ったキャラクターだと思います。
*
最終シーン。
おとんとの会話。一度壊れてすっきりした関係。無理矢理な「家族」関係ではなく自然体の「家族っぽい」関係。
おかんが帰宅。いっちゃんの誕生日ケーキにろうそくをつけ、おかんのフラダンスを観る。
ゆらめく4本のろうそく。他の三本と少し離れたところにある一本はボクかな、いっちゃんかな。誰でもないか。
*
終了。
みんな丁寧で、いい出来でした。ボク個人としては昨日の方がより素直に出来た気はしますが。
*
いい公演になったと思う。自分的にも。
「1945」で素晴らしい俳優さんたち、プロの俳優さんたちの素晴らしい演技、プロの演技や生き方に刺激を受けて、もっとやりたい!とうずうずしてたのも良かったんだと思う。
演技の精度とリアリティは共存できる、と確信したのも大きな収穫。
************************
終わったー!!
とほっとする間もなく怒涛のバラシ。砂を片付けるのがいかつい。
ちなみに、今回は仕込みもそうでしたが、それなりに機能できたような気がします。そしてそれは絶対、最近タオル屋で働いているのが良かったんだと思います。うーん人生全てはつながっている。
無事バラシ終わり、打ち上げへ。
大入袋の代わりに今回、プレゼント交換を行いました。伊藤さんの発案。
僕には松田さんのプレゼントが回ってきました。海外旅行好きの松田さんの世界各国のお土産シリーズ&職場である大阪経済大学のグッズ、図書カードなど盛りだくさん。
僕のプレゼントを引いたのは伊藤さん。「いつもいっしょに」という絵本(作:こんのひとみ/絵:いもとようこ)。すごいシンプルに大事な事を教えてくれる絵本。まあ読んでくださいよ。
吉田君のプレゼント「エリンギ栽培セット」は面白かった。
その後、終電を逃した組でカラオケへ。でもみんなへろへろであまり歌わず。
始発で帰宅。ようよう白くなりゆく山ぎはを見ながら自転車をこいで帰りました。
帰るとおかんがいました(黒木さんではないですよ)。昨日忙しい中、万難を排して観にきてくれたおかんの感想など聞きながら風呂を沸かして入る。ぷはあ。ええ気持ちじゃ。
ミルクだけ飲んで就寝。
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