11月21日 神藤大いに悩む
2005年11月21日 YP(役者ポイント) 晴れ。
僕が転校しようと目論んでいるアクティングスクール、「HB STUDIO」の授業を聴講しに行ってきました。
転校を予定しているF-1 Student(留学生)はAudit(お試し聴講授業)を無料で受けることができます。今日受けた授業は、「Phonetics(音声学)」、「Acting:Technique I」、そして「Acting:Tech/Scene Study」の3つ。
HBのクラスは大まかに分けて3つのカテゴリー「Acting」 「Movement」「Speech」から成っています。本当は他にも「シナリオライティング」とか「台本分析」とか細かいのがもう少しあるんですがまあ少数派です。
最初の授業「Phonetics」は主に留学生を対象としたクラスで、「Speech」に当たります。テキストは演劇関係ではなく、ほんとの音声学のものを使っていました。僕が大学の前に行っていた語学学校に似た感じの授業なのですが、やはり俳優養成所のスピーチのクラスという事で、語学学校と比べ、会話より発音にずっと重きを置いていました。
僕はアメリカで俳優になるつもりはないので完璧な発音は必要ないのですが、ここは俳優としてではなく、いち英語学習者としてこのクラス、取っておきたい所です。
2番目、アクティングテクニック。今は学期の終わりの方なので、今日は発表をしていました。自分たちで作ったシナリオ(戯曲というほどのものではなく、5〜10分の日常という感じ)をそれぞれが舞台で演じる。1人のパターンとペアのパターンと、一人2回舞台に上がります。
色んな人がいます、演技は絶対的な基準というものがないのでなんとも言えないのですが、僕的に見て、「この人よりは俺の方が・・・」なんて驕っちゃう人もいれば、「うわあ、この人めっちゃうまい」と見ててへこむぐらい達者な人まで様々。
アメリカ人が多い中、中国人と思しき留学生(?)を発見。発音も素晴らしく流暢なのですが、パフォーマンスを先生にけっこう辛口批評されていました。奇をてらった表現が先生(初老、プロの男優らしいです)の気に食わなかった模様。僕も自分のスキルの低さを棚に上げ、付け焼刃の個性や小技でごまかそうとしてしまうことがあるので考えさせられる。
アメリカ人の男優(生徒)の一人がうまくて引き込まれました。彼も変な感じに演じるのですが、それが自然に見える。「ドゥブドゥブダバダバダバ・・・・」と言いながら歩き回る彼が「それっぽく」見えるんです。役から入っているからでしょうか。個性から、外見から入ろうとすると無理が出て上記の中国人女優のように頭でっかちな演技になる。の、ですか?(自分で書いてて、我ながらえらそうだなと思ってしまいました)。
そして3つめのクラス、これが今日一番感銘を受けた授業になりました。こちらの授業も今日は発表でした。先生は恩ブロードウェイにもガンガン出演している女優さんです。最近賞をもらったとか。アグレッシブに自分の経験を還元してくれる。
こちらの授業は、二人組みの生徒が、先生が選んだ戯曲のワンシーンを作り上げていくという形のクラスのようです。先ほどのクラスと同じく、いやそれ以上に俳優のレベルは様々。日本人も多く、やたら巧い男優を2人ほど見つけ焦る。あと、台湾人かな?って感じのアジア人の男優が一人めっちゃ存在感があって、焦るというより普通に惹きつけられました。プロなんだろうか。
それより僕は先生が気に入りました。先生の持論である「リアクションによって演技は構成されるべき」という考え方は僕がバイブルから学びずっと挑戦し続けていること。これはほんと言うは易しで、僕の演技ははきっとまだまだ自己満足的。この先生に学べばそういうリアルな演技に少しは近づけるかもしれない。
この先生は生徒がなっていないと、自らが舞台に立って実演してくれます。迫力がある演技、リアルな演技。感情に断点があってはならないんだ!と半ばキレ気味で生徒に教えるこの先生。好きです。
そんなところで今日は終了。僕は聴講で、全く授業には参加しませんでしたが学ぶことはめっちゃ多かったです。役者というものの勉強が、他の勉強と違うのは何かというと、生徒からも学べるということです。自分より巧い奴はもちろんのこと、初心者からだって何かしらもらうことができます。最穂に述べたように役者は上手い下手じゃなくてそれぞれがその個性を持っているからです。
それはそうと、そうなんです、僕は今、学校を変わろうとしているのです。
理由はいくつかありますが、?大学の授業が面白くない(英語リーディング:本を読むだけ=自分でできる、英語ライティング:文法の授業だがやたら簡単、数学:やったら簡単、ビジネス:まあそれなりに面白いけど日本の大学の一般教養でも学べる程度、コンピュータ:まあ面白い)、?授業料が高い(まあ私立だからなのですが、?の事項は「高い授業料を踏まえると」ということです。HBのがずっと安い)、?英語が伸びている気がしない、?単純に毎日が面白くない、などなどでしょうか。
?番、じゃあなんで留学することにしたねんと聞かれたらちょっと難しいのですが、大事なのは英語という環境(10月25日の話と矛盾するように見えますが、「留学の目的」のひとつはやはり英語なんです)、アメリカという環境であって、ビジネスという専攻は僕にとっては手段なんです(もちろんビジネスしたい人には目的になり得ます)。あと?番、これは?番と深くリンクしています。今日僕は聴講してみて「好きこそ物の上手なれ」を痛感しました。加えてアクティングの授業はほとんどがインタラクティブ、否が応でもコミュニケーションをすることになる。カレッジと比べ僕の英語を伸ばすのは確実にこちらです。
色々言いましたがやはり重要なのは?番、毎日が楽しいか、充実しているか、ということでしょう。しかし僕が言う楽しい、というのは遊んで楽しいというのとは違います。この日記でご覧の通り、僕はNYで毎日のように遊んでいて(授業はちゃんと受けてますよ)、毎日よく笑っています。それでもなんか面白くないんです。
ずいぶん迷いました。悩みましたとも。出資者である親も嫌がるだろうし、何より僕自身、「『大学(ビジネス専攻)』というものから逃げ出したいだけなんじゃないか?」、なんて自問自答を繰り返しました。
でもここで踏み切らないと絶対に後悔する気がしたんです。せっかくこんなにやりたいことがあって、できる環境にいるのに、しないなんてあり得ない、と思ったんです。僕の周りを見回してみて最近気付いたのが、「燃えられる事」を見つけた僕はラッキーだということ。じゃあそのラッキーを活かさないと。僕が燃えるのはビジネスじゃなく、数学じゃなく、俳優業なんです。
そして燃やして燃やして、それが「英語上達」の燃料とさえなる。
僕が転校しようと目論んでいるアクティングスクール、「HB STUDIO」の授業を聴講しに行ってきました。
転校を予定しているF-1 Student(留学生)はAudit(お試し聴講授業)を無料で受けることができます。今日受けた授業は、「Phonetics(音声学)」、「Acting:Technique I」、そして「Acting:Tech/Scene Study」の3つ。
HBのクラスは大まかに分けて3つのカテゴリー「Acting」 「Movement」「Speech」から成っています。本当は他にも「シナリオライティング」とか「台本分析」とか細かいのがもう少しあるんですがまあ少数派です。
最初の授業「Phonetics」は主に留学生を対象としたクラスで、「Speech」に当たります。テキストは演劇関係ではなく、ほんとの音声学のものを使っていました。僕が大学の前に行っていた語学学校に似た感じの授業なのですが、やはり俳優養成所のスピーチのクラスという事で、語学学校と比べ、会話より発音にずっと重きを置いていました。
僕はアメリカで俳優になるつもりはないので完璧な発音は必要ないのですが、ここは俳優としてではなく、いち英語学習者としてこのクラス、取っておきたい所です。
2番目、アクティングテクニック。今は学期の終わりの方なので、今日は発表をしていました。自分たちで作ったシナリオ(戯曲というほどのものではなく、5〜10分の日常という感じ)をそれぞれが舞台で演じる。1人のパターンとペアのパターンと、一人2回舞台に上がります。
色んな人がいます、演技は絶対的な基準というものがないのでなんとも言えないのですが、僕的に見て、「この人よりは俺の方が・・・」なんて驕っちゃう人もいれば、「うわあ、この人めっちゃうまい」と見ててへこむぐらい達者な人まで様々。
アメリカ人が多い中、中国人と思しき留学生(?)を発見。発音も素晴らしく流暢なのですが、パフォーマンスを先生にけっこう辛口批評されていました。奇をてらった表現が先生(初老、プロの男優らしいです)の気に食わなかった模様。僕も自分のスキルの低さを棚に上げ、付け焼刃の個性や小技でごまかそうとしてしまうことがあるので考えさせられる。
アメリカ人の男優(生徒)の一人がうまくて引き込まれました。彼も変な感じに演じるのですが、それが自然に見える。「ドゥブドゥブダバダバダバ・・・・」と言いながら歩き回る彼が「それっぽく」見えるんです。役から入っているからでしょうか。個性から、外見から入ろうとすると無理が出て上記の中国人女優のように頭でっかちな演技になる。の、ですか?(自分で書いてて、我ながらえらそうだなと思ってしまいました)。
そして3つめのクラス、これが今日一番感銘を受けた授業になりました。こちらの授業も今日は発表でした。先生は恩ブロードウェイにもガンガン出演している女優さんです。最近賞をもらったとか。アグレッシブに自分の経験を還元してくれる。
こちらの授業は、二人組みの生徒が、先生が選んだ戯曲のワンシーンを作り上げていくという形のクラスのようです。先ほどのクラスと同じく、いやそれ以上に俳優のレベルは様々。日本人も多く、やたら巧い男優を2人ほど見つけ焦る。あと、台湾人かな?って感じのアジア人の男優が一人めっちゃ存在感があって、焦るというより普通に惹きつけられました。プロなんだろうか。
それより僕は先生が気に入りました。先生の持論である「リアクションによって演技は構成されるべき」という考え方は僕がバイブルから学びずっと挑戦し続けていること。これはほんと言うは易しで、僕の演技ははきっとまだまだ自己満足的。この先生に学べばそういうリアルな演技に少しは近づけるかもしれない。
この先生は生徒がなっていないと、自らが舞台に立って実演してくれます。迫力がある演技、リアルな演技。感情に断点があってはならないんだ!と半ばキレ気味で生徒に教えるこの先生。好きです。
そんなところで今日は終了。僕は聴講で、全く授業には参加しませんでしたが学ぶことはめっちゃ多かったです。役者というものの勉強が、他の勉強と違うのは何かというと、生徒からも学べるということです。自分より巧い奴はもちろんのこと、初心者からだって何かしらもらうことができます。最穂に述べたように役者は上手い下手じゃなくてそれぞれがその個性を持っているからです。
それはそうと、そうなんです、僕は今、学校を変わろうとしているのです。
理由はいくつかありますが、?大学の授業が面白くない(英語リーディング:本を読むだけ=自分でできる、英語ライティング:文法の授業だがやたら簡単、数学:やったら簡単、ビジネス:まあそれなりに面白いけど日本の大学の一般教養でも学べる程度、コンピュータ:まあ面白い)、?授業料が高い(まあ私立だからなのですが、?の事項は「高い授業料を踏まえると」ということです。HBのがずっと安い)、?英語が伸びている気がしない、?単純に毎日が面白くない、などなどでしょうか。
?番、じゃあなんで留学することにしたねんと聞かれたらちょっと難しいのですが、大事なのは英語という環境(10月25日の話と矛盾するように見えますが、「留学の目的」のひとつはやはり英語なんです)、アメリカという環境であって、ビジネスという専攻は僕にとっては手段なんです(もちろんビジネスしたい人には目的になり得ます)。あと?番、これは?番と深くリンクしています。今日僕は聴講してみて「好きこそ物の上手なれ」を痛感しました。加えてアクティングの授業はほとんどがインタラクティブ、否が応でもコミュニケーションをすることになる。カレッジと比べ僕の英語を伸ばすのは確実にこちらです。
色々言いましたがやはり重要なのは?番、毎日が楽しいか、充実しているか、ということでしょう。しかし僕が言う楽しい、というのは遊んで楽しいというのとは違います。この日記でご覧の通り、僕はNYで毎日のように遊んでいて(授業はちゃんと受けてますよ)、毎日よく笑っています。それでもなんか面白くないんです。
ずいぶん迷いました。悩みましたとも。出資者である親も嫌がるだろうし、何より僕自身、「『大学(ビジネス専攻)』というものから逃げ出したいだけなんじゃないか?」、なんて自問自答を繰り返しました。
でもここで踏み切らないと絶対に後悔する気がしたんです。せっかくこんなにやりたいことがあって、できる環境にいるのに、しないなんてあり得ない、と思ったんです。僕の周りを見回してみて最近気付いたのが、「燃えられる事」を見つけた僕はラッキーだということ。じゃあそのラッキーを活かさないと。僕が燃えるのはビジネスじゃなく、数学じゃなく、俳優業なんです。
そして燃やして燃やして、それが「英語上達」の燃料とさえなる。
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